オリエント急行(ベニス・シンプロン・オリエント・エクスプレス) V・S・O・Eに乗る。
小説や映画で有名なオリエント急行は、1883年10月４日に初めてパリとコンスタンチノープル(イスタンブール)に走りました。ワゴン・リ客車は贅をこらした装飾で当時のハイソサエティのヨーロッパの人々に愛され、絶えず国際列車のトップの座に君臨してきました。ところが1950年代に入ると航空機の躍進などにより、乗客数も減り、ついに1977年、パリ発イスタンブール行きの「ダイレクトオリエント急行」の運転を最後に、その華やかな歴史に終止符を打ちました。
ところが、廃止後もオリエント急行を惜しむ声は高まり、各国からも復活を望む声が大きくなり、ついに1982年には、ワゴン・リ客車を当時のままに復元して、ロンドンとベニス間に復活運転を開始しました。その名はベニス・シンプロン・オリエント・エクスプレスと呼ばれ、アメリカの大手海運会社のオーナーの手によって運行されています。復活したオリエント急行は、その全盛時代の1930年代の古き良きヨーロッパ文化「ベルエポック」の時代を再現し、車内はまるで走る社交場のごとき雰囲気です。私がこの列車に乗車したのはこれで３回目、いずれも取材でしたが、せめてディナーと、ラウンジのバータイムは、日本の伝統衣裳である和服で、その優雅なひとときを楽しみました。
ワゴン・リ客車
オリエント急行をシンボライズするのが「青きプリマドンナ」と言われているワゴン・リ寝台客車です。
車体には月桂樹に向かい獅子のエンブレムが誇らしげに輝いています。
オリエント急行のダイニングカー。３両のレストランがあり、それぞれベルエポック時代の装飾がほどこされています。
月桂冠に向かい獅子のエンブレムがオリエント急行の格調の高さを表しているようです。
オリエント急行の食事
オリエント急行の楽しみは、優雅なディナーにあります。食事はロンドンからベニスまでの間に計４回。
特にディナーはフランス料理のコースが楽しめます。
朝食はスイスの風景を見ながらルームサービスの「コンチネンタルブレックファースト」を。
写真左、オーストリアチロルの中心都市インスブルックでは30分停車。チロルの風がホームを駆け抜けてゆきます。