南正時の日々是々日記
2012年5月号
南正時つれづれ旅のバックナンバー
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2012年4月の日記はこちらです。
■GWは路線バスの小旅行
4／30
都内で「列車の走り」」を撮らなければならなかったのですが、天気が悪いので連休明けにします。急遽、予定変更でいつもの新緑巡りをすることにして渋谷駅から大井町駅行きの東急バス「渋41」系統に乗りました。このバスは大橋から山手通りを経由して走ります。私がよく行く目黒不動へは普段「渋72:系統」を使っているのですが、このバスが便利です。運行本数が多く、道路が空いていれば参道まで20分程度で行くことができます。目黒不動も、すっかり緑に囲まれ、水量豊かに湧き水が流れています。渋72系統はバスマニアには人気の路線で、その理由のひとつに目黒不動のバス停は境内の私有地にあるからです。バス以外の車両は進入禁止です。目蒲線の不動前に歩いて行き、名水に寄ってから山手通りで「渋41系統」渋谷行きのバスで大橋まで向いました。女性運転手が研修中で指差確認しての運行で、特にお年寄りの乗降には気を使っていました。大橋から三軒茶屋方面に行き、世田谷線をスナップしてから、池尻までバスで戻り、住宅街にある古き良き銭湯に入りました。銭湯が好きでよくゆくのですが、この銭湯は最近すっかりお気に入りの癒しの銭湯です。井戸水を使用して肌に柔らかい湯で、シャンプー、ボディシャンプーは備え付けてあります。湯上りに清涼飲料水を飲みながら、鯉の泳ぐ池のある中庭で涼みます。常連のお年寄りたちと団扇を手に素っ裸で世間話をする良い季節になりました。玉川通りはバスが2−5分間隔でやってきて、私の住まいの近く「道玄坂上」まで運んでくれますから電車より便利です。(本日の歩行数11.300歩、5.8km)
目黒不動の狭い門前を行く渋72系統。不動尊の境内にある渋谷方面行きバス停。目黒不動尊は都内の名水が存在する。古き良き銭湯。湯上りに涼む風流な季節になった。
■ヒカリエ散歩
5／1
午後から話題のヒカリエに行ってきました。買い物でも食事でもなく、眺望のロケハンです。銀座線の地上区間がどのくらい見えるかが興味ありました。4−11階までの西側の窓際を見てきましたが、4階と11階のホールの展望ルームから眺望が楽しめますが、写真撮影には程度の悪いフィルターを付けたような撮影条件です。ところが4階の某所(パプリックスペース)にガラスをクリアするオープン場所があったのです。一眼レフの大口径レンズは不可能ですが、高性能なるX10では十分撮影が出来ました。ここからの俯瞰は、やがて姿を消す東横線渋谷駅、地下鉄渋谷駅、東急東横百貨店も一望です。屋上には昭和27年廃止の「ひばり号」の「廃線跡」もはっきり見えました。■キヤノンプレミアムアーカイブス
ヒカリエからの眺め。銀座線はガラスをクリアして撮ったもの。山手線ガードからスクランブル交差点を見る。3列車揃いぶみ。来年には姿を消す東横線渋谷駅。東横百貨店の東西館を結んだロープウェー「ひばり」。手前の搭屋(東館)と山手線を跨いで奥の西館を結んでいた児童向けのゴンドラだった(昭和27年(1952年)新東宝映画「東京のえくぼ」より)。
5／2
都内の取材に出る予定でしたが、大荒れとの予報なので今月末に放送される「写真家たちの日本紀行」の原稿と写真編集です。この番組はキヤノン提供の旅カルチャー番組で、キヤノンのカメラを使用して写真家たちが思いの地を旅するものです。先月にはこの番組のロケで「会津鉄道」と「ひたちなか鉄道」を新製品のEOS5DMarkVで取材してきました。現在はVTRの編集中で、私はインサート用写真データや、ホームページ用の写真編集の真っ最中です。公式ホームページでは作品集と「この一枚」にはEOS5DMarkVで撮ったフルサイズの写真が掲載されますし、「CAPA」では撮影中のエピソード、メイキング写真が掲載される予定です。「会津鉄道」では40年前に撮ったSLの撮影地を再び訪ね、同ポジで新しい鉄道を撮りました。ダム湖に沈んだ「桑原駅」や、廃線跡のトンネルなどが見ものといったところでしようか。放送は5月26日と6月2日の午後7時30分からで、次週の土曜日午後2時から再放送されます。フルハイビジョンカメラEOSC300で収録した鉄道風景をぜひご覧いただければと思います。
■♪あん時や、土砂降り♪(春日八郎の名曲)
5/3
土砂降りです。午後から吉祥寺で知人に会いランチ。もうどこへも行かず、しばしおしゃべりして帰りました。テレビロケのデータのフィニッシュです。RAWデータをTIFに変換して入稿です。明日は入稿なので晴れてくれるかな?。夜は連休とあって家内の負担を少なくするために神泉の中国人が経営する中華料理屋でモルツを飲みながら食事。ここの料理の盛は異常なほどよいので、ハーフサイズで注文します。それでも二人でやっと食べれるほどの盛です。ふたりはまだまだ仲良しです。
■♪渋谷は今日も雨だった・・♪(内山田洋とクールファイブ)
5/4
午前中から撮影を兼ねて外出するつもりでしたが、今日も雨。出鼻をくじかれてしまいました。それでも午後からはTVクルーと会い、データの入稿とVTR編集の打ち合わせ。連休返上で編集作業に入るそうです。鉄道は専門用語が多く台本が大変とのことですが、これだけは注意しておきました。「会津鉄道」と「ひたちなか鉄道」の車両は「電車」と言ってはなりませぬ・・と。今ではNHKでも堂々と気動車を「電車、でんちゃ」などとはしゃいでいる始末。困ったことです。今後こういう表記があったら鉄道会社の名誉のためにテレビ局に断固抗議しましょう。というわけで雨脚が強くなってきたので、きものの裾からげて「定九郎」ばりにイキがって帰宅したのでありました。
■多摩川のトキちゃん
5/5
昨日の雨が嘘のように朝から快晴です。家内と共に外出です。私は金環日食となんとか列車、鉄道を一緒に撮りたいので多摩川を渡る列車の位置関係のロケハンです。金環食は比較的早朝なので、列車が空に抜けて日の出方向に障害物が無いところが理想です。東急多摩川駅から多摩川方面に行き実際にロケハン。視界はいいのですが当日の日の出位置などの確認が再度必要なようです。ぜひ新幹線と金環食が撮りたいので場合によっては沿線にロケになりそうです。田園調布の新緑と湧水を巡り、帰りに祐天寺で途中下車。祐天寺は:結婚直後に、ここに居を構えた懐かしい所です。駅前の鉄道コレクションのカレー屋「ナイアガラ」の主人とも40年以上の付き合いです。久しぶりに訪れると歓待してくれました。ここの鉄道コレクションはちょっとした鉄道博物館並みで特にSLのナンバープレートの数々は白亜です。本物の「ゆうづる」「はやぶさ」のヘッドマークにも驚きです。これらのコレクションの保存のため「社団法人・鉄道文化振興会」を立ち上げ、鉄道文化を守り続けると、マスターは張り切っていました。■私の危機管理能力は凄い・・
貴重な山手線の日中の貨物列車2077列車。東横線のオーバークロスでは見事電車とクロス。田園調布の森の中の湧水を巡る。新緑が気持ちいい。増水した多摩川に行楽客が集まっていた。ここで1時間ほど電車を撮影。名物「駅長」カレー屋「ナイアガラ」の内藤さんはいつも元気。
5/6
朝から快晴です。今日も家内と運動不足解消に散歩です。今日からは夏物のきものとサラサラ涼しい藍染の越中ふんどしのコラボが私のクールビズファッションといったところです。中央線で国分寺駅まで行き、湧水散策を兼ねてハケの道に沿って野川沿いに歩くことにしました。東京経済大学の東京の名湧水５７選の「新次郎池」からスタートです。この池は湧水量の増減が激しいのですが、今日は満水です。この季節の満水は極めて珍しいもので、このところの大雨が影響しているようです。貫井神社を経て野川沿いに出たところで、急に西の空が真っ黒になり風が吹いてきました。私の「危機管理」が働き、これは嵐がくると想い、すぐバスに乗って武蔵小金井駅へ向かいました。散歩は急遽中止で井の頭線で戻ることにしました。ところが井の頭線沿線はまだ快晴です。池の上で下車して線路沿いに神泉までのんびり歩き電車を撮ったり、駒場東大構内に寄ったりして、蕎麦を食べて帰宅しました。するととたんに雷鳴がとどろき土砂降りの雨が降ってきました。ニュース速報が北関東で竜巻による大被害を伝えています。これだけの被害と大停電なのにNHKはのんきに「モンゴル相撲」を中継しています。ニュース情報はどうした!。ホントに怒りますよ。先程までいた国分寺、府中地区は競馬中継を見ていると土砂降りで雷鳴とどろいています。私の「危機管理能力」もまんざらではありません。これから連休明け締切の連載原稿2本を書き上げます。連休中はちょっとのんびりし過ぎました。(本日の歩行数、9960歩、5.0km)■マドンナ、大空小百合さんとメル友になりました(うれしい)。
東京経済大学の「新次郎池は満水には、湧水が堰をオーバーする。貫井神社の湧水をX10で撮影(いずれも家内が撮影)、見事にカブられました。駒場野の森は深い緑に変わった(いずれも駒場東大前−池の上間にて)
5/7
第8作「寅次郎恋歌」では大空小百合と伯備線のD51が主人公だ。(C)松竹・寅さんDVDボックス
寅さんDVDボックスの原稿執筆です。現在執筆中のメインは「只見線」です。午後から原稿を届けに外出しました。銀座のキヤノンサロンのプロ機材でEF100-400mm白玉ズームを借りました。10日からの東海、北陸地方の取材と、これで金環食を撮る予定です。現在EOS5DMarkVに使用中の24−105mmと100−400mmはベストコンビのレンズでしょう。使い勝手が良ければ購入しようと思っています。有楽町線で護国寺の講談社へ行き入稿、「寅さん」の編集デスクと3階のカフェラウンジで「寅さん談義」。私はこの前にデスクの紹介で、葛飾柴又で知り合った「男はつらいよ」の旅役者大空小百合を演じた岡本茉莉さんと「メル友」になりました。彼女こそ寅さんの永遠のマドンナと信じている私です。最近のメールでは「寅次郎恋歌」の冒頭の名場面、寅さんと大空小百合の雨の道行の三浦半島での撮影秘話を聞かせてくださいました。岡本茉莉さんは現在も大空小百合と同様、全国各地に旅回りの芝居を演じ続けています。
■「独裁者」の赤いチャンチャンコ
5/8
今日は中央線沿線でいろいろ用事があるので、まずは例のごとく南武線の矢川付近で貨物を撮ることにしました。いつもの畑の中の農道ではなく少し引いた道路(公道)でカメラを構えていると、珍しく「撮り鉄」が農道にやってきて、ウロウロした結果、農道に三脚をセットしました。農道は「お立ち台」なので移動してくれとは言えないので、せめて3m横にある白い看板まで移動をお願いに農道に行くと、:険悪な表情で逆ギレされ「そんなの関係ない、ここは公共の場たがら私の勝手」と言われました。「関係ない」「公共の場」「私の勝手」は一番応えに窮する言葉です。こんな人間には何も言ってもダメです。私は不愉快な気持ちのまま鉄道を撮るつもりはありませんから、正午前後の2本の貨物列車の撮影をヤメて近くの矢川緑地に行き新緑と湧き水の森に行き、気持ちを癒しました。ちなみに件の農道はこの地区の農家の個人の私道で、私はいつも農作業の方に一言声をかけて撮影をしています。夕方まで中央線で撮影をして、荻窪の銭湯で足のふくらはぎ、太腿にジェットバスを当てコリを取りました。ここまで2万歩以上、10.5kmも歩きました。さっぱりしたところで杉並公会堂に行き「アニドウ」代表で、オープロ社長のなみきたかしさんの「オレがオレが」のワンマンショーを見にゆきました。ゲストにカルトエッセイストの唐沢俊一さんを迎えてのトーク。ラストには盟友、故片山雅博が描いた絵のコスプレ姿で登場して会場を沸かせました。なみき氏は今年還暦なので、そのコスプレに赤いちゃんちゃんこを「オープロ社長を慕う」女性アニメーターから着せてもらいさらに盛り上がりました。「独裁者」もこの日ばかりは表情が緩みっぱなしでした。二次会は荻窪の常連「馬来・まき」でア二メ仲間たちとオツカレサマの酒宴。帰宅は吉祥寺からの井の頭線終電になってしまいました。
■ふんどし談義
お立ち台に三脚を立てる撮り鉄」。矢川緑地は木橋がある湧水の湿地が広がる癒しの所。トークショーで唐沢俊一さんと、赤いちゃんちゃんこを着る「独裁者」。片山雅博描く「独裁者」の肖像がイベントのポスターになった。
5/9
明日から木曽方面の取材旅行に出るので品川駅まで出て切符の予約を済ませてて、ビックカメラに寄って21日の金環日食用のNDフィルターを購入。天気が悪かったら13500円が無駄な投資になるわけですが、当日の天気を祈るだけです。音羽の講談社に寄って3階のカフェテラスで2部門の編集者と時間をずらして打ち合わせと校正。まだ雨が降っていないので音羽から次の入稿の飯田橋の双葉社まで歩くことにしました。途中、音羽の崖下の湧水を注意深く見て歩きました。早く歩きすぎて時間が空いたので神楽坂のレトロ銭湯に立ち寄りました。84歳のお爺さんが「おお、ふんどしとは珍しい。ワシも若い頃はふんどしで、オヤジは六尺ふんどしをしていた。これから夏になるといいよねぇ・・」と話かけてきました。番台で女将さんが微笑みながら二人の会話を聞いています。お爺さんと人気のない風呂に一緒に入っていろいろ世間話をしながら銭湯情緒を楽しみました。6時から双葉社で連載中の鉄道写真の入稿です。名水にちなみ夏の「長良川鉄道」を掲載することに決めました。編集者と銭湯にも近い蕎麦屋で、鴨そばを食べて帰宅しました。本日の歩行数17.000歩、8.5km
■取材旅行
5/10
朝早く起きて旅支度をしたり、仕事の連絡などをして、12時57分品川発の「のぞみ111」に乗り名古屋へ。接続の高山線の「ワイドビュー」の自由席に乗って美濃太田へ。一旦ホテルにチェックイン。部屋からは美濃太田駅が一望の「トレインビューホテル」でした。今日はかつてお世話になった飛騨でのアニメフェスのスタッフが私を「歓迎」してくださるとのことで、お迎えのスタッフの方と懇親会にでました。犬山市の旧家「奥村邸」のフレンチレストランで地元の方たちと談笑、楽しいひと時を過ごしました。(美濃太田で執筆更新)
■大河のオマージュ
今日は「乗り鉄」で美濃太田まで移動。名古屋駅を通過する中央線の重連貨物。ホテルからは美濃太田駅が一望。旧家「奥村邸」はフレンチレストラン。とても美味しい料理だった。
5/11
早朝の太多線で多治見へ。中津川行きに乗って終着駅へ。駅前でレンタカーを借りて中央線の落合川へロケ。男はつらいよシリーズでは、落合川駅付近の場面が登場する作品があります。北恵那鉄道の鉄道遺産のひとつの鉄骨の橋梁の下から寅さんは小さな舟で木曽川を下ります。落合川駅周辺で特急，普通列車などスナップして、午前中に落合川ロケ終了、午後からは北陸線の新疋田で特急、貨物など撮影。中津川では冷房エアコンを設定しましたが、敦賀に来ると暖房のエアコンです。この極端な温度差はこたえます。鳩原ループ付近の「里山起こし」に燃える現地の方をお訪しました。お互いに気が合い、市内の料理屋で夕食をともにしました。(敦賀市で執筆更新)■新緑萌え・・・
国鉄色復活、キハ40:系が太多線に投入。北恵那鉄道の赤錆びた鉄橋が残る。東日本の乗り入れ電車と落合川周辺。新疋田駅構内を走るEF510形、レッドサンダー。拡大写真
5/12
ブルトレ「日本海」が廃止されてから北陸本線の撮影は朝のんびりです。ゆっくり朝食を食べてから峠を越えて今庄へ。今庄付近は今、新緑が実に美しい頃です。天気が悪いのが残念ですが、それでもデジタル画像はフィルムにない描写を見せてくれます。EOS5DMarkVにEF100−400ズームを装着しての「試写」です。昼前から晴れ間が見えると新緑は一層美しく描写されます。EF510のライナー、トワイライトEXP、来る列車をすべて撮り昼は懇意にしている「今庄そば」を食べました。主人が「水そば」を勧めてくれました。そばの香りが見事です。おろし蕎麦を2杯平らげて、木ノ本ー余呉間で逆光で光る水田を狙いましたが、雲が多く思ったほどの効果はでませんでした。長浜のホテルにチェックイン。親子どんぶりの名店「鳥喜多」で、親子どんぶりと「かしわ鍋」を食べました。夕方、4時30分にオープンして私が行った6時過ぎに閉店、仕込みが無くなったので、この日は私が最後の客でした。(長浜で執筆更新)■リベンジの新緑
5DVに100ー400で試写、南今庄駅で撮影。萌えるような新緑に白ボディが流れる。今庄そば「おろし蕎麦」と、鳥喜多の「親子どんぶり」のご当地自慢食材が今日の私の食事。拡大写真
5/13
南今庄付近の新緑があまりにも印象的だったので、やはりこれだけは押さえておきたい・・と、再び現地へチャレンジ。今日は雨上がりの五月晴れで申し分のない撮影日和です。まず、湯尾駅付近の直線の順光区間で特急、EF81、EF510の貨物列車などを撮って南今庄で昼前まで、いろいろアングルを変えて新緑を撮りました。手応えありでした。午後からは米原ICまで移動して、お馴染みの柏原ー近江長岡間で貨物列車のELの流し撮りをしました。午後3時に終了。岐阜羽島駅前でレンタカーを返して17時11分のN700系「ひかり」8号車に乗車。ところがこの列車は満員。8号車もほぼ座席は埋まり、隣にはデブのオジサンが座っていました。「最悪」のグリーン車でした。■リハーサル
五月晴れに新緑が映える。「北陸線のヌシ」EF81を順光で撮影。南今庄付近を行く普通電車。柏原で流し撮り、「桃太郎」のトップナンバーが来た。拡大写真
5/1421i日の金環日食を前にカメラテストを行いました。キヤノン7Dに400mm望遠レンズ×1.4のテレコンをつけて計896mmの超望遠レンズです。それでも画面上の大きさはまだまだ小さいものです。特殊フィルターで撮影すると、なんと太陽の黒点が写っていました。ちょうど黒点の活動期なので表面上に大小数個が確認されました。日食に向けて体制は万全ですが、心配なのは当日の天気。予報ではあまり良くないようです。
約890mmレンズで高画質で撮影したものをトリミング。黒点が鮮やかに写った。
昨日までのデジタルデータを整理編集を半日かけて行い、週刊大衆の連載原稿と「寅さん」のコラム原稿を執筆して夕方からご近所を散歩。東京はすっかり青葉から深緑色になりました。
■広島風お好み焼き喰わんケー(友也調で)
5/15
朝から雨模様。仕事の連絡がメールと電話であり、JR東日本広報から報道公開リリースのご案内がFAXで届きました。新幹線車両のサプライズ取材です。プレスリリースのお知らせはほとんどがメールでのご案内ですが、鉄道会社、行政などはまだまだFAXに頼っています。私にとってFAXはすでに懐かしいアイテムになりつつあります。昼過ぎまで仕事の整理などのデスクワークをしていると睡魔に襲われそのまま昼寝をしました。起きるとすでに夕方。夕食は東急本店近くの広島風お好み焼き「七福」へ行きました。私も家内もお好み焼きが好きです。特に私は2年に一度広島に滞在して、お好み焼き攻めになるので、その前哨戦というわけです。ところが1枚平らげるのがやっとです。食が細くなった・・と思っていたら、昼寝後、おやつに「みたらし団子」を食べていたことを忘れていました。それにしても広島風お好み焼きと、ビールはベストマッチングです。
■機関車だーい好き
5/16
EOS5DMarkVに装着したEF100-400_超望遠ズームの試写(手持ち)に出かけました。さて、何を撮ろうかな・・と思い、家内も連れて散歩を兼ねるので新緑が美しい武蔵野線の稲城付近に行き貨物を撮ることにしました。我が家からは明大前乗り換えでアクセスできる便利でお手軽な貨物ビューポイントです。11時から13時までは5〜6本の貨物が撮影できます。お弁当は手作りカツサンドで、ピクニック気分で新緑の下で撮影をしました。EF66、EF210、EF65PF、EH200など多彩な機関車が通過して私は嬉しい気分です。ただし、アングルがワンパターンなので、肝心のズームの威力が発揮できません。撮影が終わって深大寺に寄ってから、井の頭線の池の上駅で下車してホームでズームを多用して撮影をしました。このズームは5DMarkVにフィットするズームです。400mmはF5.6ですが、ISOを400−800で設定することで十分手持ち撮影が可能ですし、さすが白レンズで画像はすこぶるクリアな描写をしてくれました。魅力あるレンズです。■鉄路の“紅”バラ
EF65PFを撮影中を家内が撮影。お目当てのPFは京王多摩線の電車とクロス!!。超望遠ズームを多用して井の頭線を手持ち撮影。クリアな画像はさすが。ISO800設定。
5/17
週刊誌連載の校正を終えて午前中から5DMarkVと100−400mmの試写のため外出です。近くの恵比寿ー渋谷間の山手線陸橋でEF65PFの貨物を撮って東十条へ移動。定番撮影場所で金太郎、EF64、特急電車などを手持ち撮影。線路沿いの小道には沿線住民が管理する四季の花々と野草があり、なごみの撮影ができます。これからはアジサイが彩りを与えてくれるでしょう。それに撮影地のすぐ近くには湧き水が2箇所あります。うち一箇所は「荒幡不動の湧水」で歴史に育まれた湧き水です。ご近所の方にいろいろお話を伺いました。うれしいことに鉄道と湧水の旅は都心の片隅にもありました。2時間ほど撮影して夕方自宅に戻りました。喉がイガイガします。風邪の引き始めかな?。■乗り鉄で宇都宮餃子を食う
恵比寿ー渋谷間を走る2077列車。東十条の沿線には薔薇が咲いていた。荒幡不動尊の湧き水は線路沿いにある。3086列車定時通過。400mmを手軽に手持ち撮影。ただし、しっかり体を固定してカメラをしっかり構えることだ。
5/18
明日、小山で早朝の仕事があるので、今日は栗橋か古河あたりで東武スペーシアの新しい塗装車両でも撮りながら出かけようと昼前に家を出たのですが、寒気の入り込みで空は真っ黒、雷に打たれそうなので撮影は断念して銀座線を上野で降りて、東北本線の各駅停車「宇都宮行き」スイカグリーンに乗り、乗り鉄を楽しむことにしました。グリーンは211系の一階車両です。何となくかつての東北本線の「ひばり」「あいづ」などの特急電車の旅を彷彿するじゃありませんか。しかも車内販売のアテンダントも乗っているので、旅気分も盛り上がります。上野駅で「上野駅弁当」と缶ビールを買い込んでの旅が始まりました。北関東に入ると黒い雲が広がって野外の撮影は諦めました。宇都宮駅で烏山線のキハ40の国鉄色や、EF81・80の引く「北斗星」の回送を撮って、少し早い夕飯を宇都宮餃子とビールで済ませて小山に戻るとチェックイン直後に激しく突き上げるような揺れが。すぐ近くを震源とする震度4の揺れでした。「3(震度)ではないな・・」と冷静な対応はすっかり地震に慣れてしまったということでしょうか。油断大敵です。(小山市で執筆更新)■新幹線勢揃い
211系のグリーン車で宇都宮へ。烏山線のキハ40系国鉄色の七福神列車。宇都宮餃子とビールはナイスマッチング。
5/19
東北新幹線開業30周年の記念イベントが小山新幹線車両センターで開催されました。一般公開に先立ち午前8時30分から報道関係者にJR東日本の新幹線電車が勢揃いした姿が公開されました。快晴とあって美しい電車が青空に映えます。一般入場者(公募)が入る前の公開には東北新幹線の200系がサプライズ展示されました。一般公開では「Earst-I」に代わり200系は小山駅ー車両センターの送迎輸送に使われました。報道公開後の一般公開まで取材をしました。「すっげえー」と鉄道好きな少年、「まぁ、きれい!」というお母さんの言葉が印象に残りました。昼過ぎに200系で小山駅に戻り、猪井さんたちと駅ビルのイタリアンでランチ。ビール、ワインを飲み、帰路のグリーン車内でもビールで乾杯。それでも足らず、赤羽で下車した6人は居酒屋で本格的な飲み会。とてもいい取材ができたのでそのお祝いにとかこつけて飲みました。■もう諦めています・・が。
歴代の新幹線が横並び。天気も良いこともありワクワクしながら取材。一般公開でもこのサプライズ展示は大好評でした。拡大写真
5/20
太陽撮影用にEOS7Dに400mm×2倍テレコンを付け特殊NDフィルターをつけてスタンバイ
朝からパソコンのシャットダウンがうまく行かず、トラブル発生でその再起動に時間がかかってしまいました。今日は日曜日なのと少し風邪気味なので外出はやめて家でじっとして天気予報をチェックしていました。残念ながら天気予報はますます悪くなるばかりで、北の高気圧から湿った風が吹き込むため南岸沿いは雲の発生確率が高くなる「最悪」の予報です。当初の新幹線と鉄道との金環日食などは諦めて、もし、見えれば自宅近くで撮影する予定です。好転して朝起きて晴れたり薄曇りだったら多摩川の堤防に出かけるつもりですが。
■奇跡の天体ショー
5／21
5時に目覚めると雲の切れ目が見える空。衛星写真の雲の流れでは東に移動しているので思い切って出かけることにしました。行き先は駒場東大の構内にあるサッカーグランド。6時過ぎに到着すると学生たちが寝転ばって「出ろ、出ろ」と叫んでいました。雲は厚く太陽は見えていません。そのうち雲の隙間から顔を出すと右上がすでに欠けていました。雲の流れも晴れ間が多い部分になりました。そのうちご近所さんや、わざわざ新潟から夜行バスで駆けつけた家族連れも集まり金環食を待ちます。望遠レンズで金環食を確認して告げると、会場からは「キャー」のどよめきと共に拍手が。雲間の太陽なのでNDフィルターを除き、露出を絞りサングラスでシャッターを切りました。これが青空だけだったらフィルター越しの明暗の世界だったのですが、雲の濃淡が素晴らしい風景写真を演出してくれました。私のカメラのモニターを見て写メで撮ったり、「すばらしい墨絵のよう」と完全に金環食フィーバーが盛り上がりました。9時過ぎまで撮影をして、駒場東大前駅のマックで朝食を済ませて帰りました。データをパソコンで私の興奮状態は続いていました。■キャピキャピCAPA
駒場東大構内の人工芝が観望場所、寝転ばっているのは家内。金環食に入る寸前。7時35分ごろ金環食が始まった。金環食を終えてOKのサイン。拡大写真
5/22
冷たい雨の中、スカイツリーの開業です。経済効果の向上を狙っているためもありますが、メディアの報道ぶりは異状です。特にNHKのはしゃぎっぷりは一線を越えています。雨で視界不良、先行きを暗示しているかのようです。と、思っていたら夜になってエレベーターが強風で停止したとのニュースが。そんなに強い風が吹いていたわけじゃないのにね。この「事故」を“強気”の運営会社は2時間公表せず、停止した根拠も明らかにしないままの対応でした。「事故」といわれてもしかたありませんね。この冬の氷片の落下といい、先が思いやられます。
夕方、マシマレールウェイピクチャーズの長根広和さんの写真展の打ち上げがあるので、湯島の「フォトギャラリーUC」にボルドー産赤ワインを持って出かけました。あいにくの雨模様でしたがギャラリーに入りきれなくなるほどの来客で大いに盛り上がりました。二次会はギャラリーのオーナーの行きつけのそば屋の二階で行われ、私は美味しい酒とそばで飲みすぎフラフラになりながらNikonのSさんとSさんと銀座線に乗りました。こういう機会に仲間が集まることはいいことだと思います。今週土曜日に放映される「写真家たちの日本紀行」の告知とも言える私を取り扱ってくださった「CAPA6月号」が届きました。会津鉄道、ひたちなか海浜鉄道のベストショット2点と、私の取材中の様子が掲載されています。仕上がりが良く気に入っている掲載になりました。放送の予告の仔細はこちらです。■♪わたしの青空
打ち上げの手作りパーティ。中央が長根さん。CAPA6月号に取材の様子が掲載されています。
5/23
冷たい雨が上がり抜けるような青空が広がっています。昨夜、少々飲みすぎましたが、青空を見るとやはりカメラを持って飛び出したくなるものです。連絡事項を手早く済ませて10時すぎに南武線に出かけました。矢川の「リベンジ撮影」です。青空に刷毛ではいたような雲がいい感じです。PLフィルターを持ってこなかったことが悔やまれました。地主の農家の方と座りながらいろいろ世間話をしながらの撮影です。正午過ぎの貨物を2本撮って、矢川の清流に沿って、ママ下湧水に向かいました。都内でも最大の湧水で、ものすごい勢いで水が湧いていました。裸足になりきものの裾をまくり上げて泉に足を浸しました。夏日ともあり、涼感たっぷりでした。ただ、昨日の二日酔い気味なのと温度差の急激な変化で、少々疲れ気味で4時には自宅に戻りました。■真っ昼間から
雨上がりの青空の下、タキが走る。ママ下湧水は東京の名湧水57選のひとつで都内最大の湧水群。
5/24
晴れですが、高層雲が出てはっきりしない天気なので当初予定していた撮影を変更です。キヤノンEF100-400レンズの試写で近所の渋谷ー恵比寿間の陸橋へ行きました。2077列車は半逆光ながら今日は薄曇りでベストコンディションです。400mmでAIサーボの連写でシュート。すべてドンピシャ、ピントが来ていました。金太郎の牽く3086列車は昨日の青森県地方の地震の影響からか大幅に遅れているようでパス。東横線の鉄橋と下を走る列を撮りました。この風景もあと1年以内に消滅する鉄道風景です。帰りに桜丘の行きつけのイタリアンで遅いランチ。真昼間というのにグラスワインを一杯飲んでからのランチでした。暑さのせいの少しぐったりなので帰宅。すでに1万歩も歩きました。帰るとこのところの取材費の精算が待っていました。私が連載している出版社は、この厳しい世の中にあって取材費はちゃんと面倒見てくれています。明日は出版社まわりでその精算です。■精算旅行
定番の撮影地、恵比寿ー渋谷間の陸橋にて。東横線のオーバークロスもあとわずか。5DMarkVとワインの日々・・真昼間から。
5/25
昼前に主治医の問診と投薬を受けに行きました。風邪気味で喉がイガイガして咳も出るので見てもらったら喉が荒れているとのことで、炎症止めと風邪薬も受け取りました。昼過ぎに銀座のCanonに行き、試写で借りていたレンズを返却して、担当者と最近のデジタルカメラ事情を話し合いました。その後有楽町線で飯田橋の双葉社へ。今日は創立記念日で休みですが、週刊誌編集部は出勤です。先だっての北陸取材の取材費の精算をして、次回原稿の打ち合わせ。双葉社から護国寺の講談社までウォーキング。途中、椿山荘や神田川沿いに散策して、講談社のカフェテラスで「寅さん」担当の編集者と打ち合わせと、中津川取材の取材費の精算。この日の歩いた数は16.100歩、8.1kmでした。
■写真は記憶と記録
5/26
朝刊のラテ欄に目を通すと私の出演する今晩の「写真家たちの日本紀行」が紹介されていました。録画予約を済ませていろいろ仕事の整理をしてから、午後は散歩に外出。渋谷駅から並木橋まで東横線沿いに歩き、代官山経由で約8000歩4kmの散歩でした。途中の猿楽橋(陸橋)から東横線とJRのオーバークロスをスナップ。夏のスナップも今年限りなので、地元の利を生かしてせいぜい記録しておくことにしましょう。7時30分からの放送はちょっと照れくさいので、ビールを飲みつつ見ました。細かく熱心なディレクターAさんが私の真意を良く理解して戴いた番組になったと思っています。再放送は6月2日午後2時〜です。ロケのエピソード、ベストショット、作品集は公式ホームページにアップされています。■放送後は・・
猿楽橋から見た東横線のオーバークロス。この風景も最後の夏になりそうだ。金網越しにX10で撮影
5/27
世田谷のレトロ銭湯で癒しのひととき。
昨夜の放送後に何件か電話が入りました。ご無沙汰している知人や友人からの電話でした。メールでは映像関係の方々から「ハイビジョン映像がとびっきり素晴らしかった」とご感想も頂きました。ア二メ界の重鎮で私の鉄道写真の「師」でもある大塚康生さんからは電話で「よかったよ、SLはいいね、それにしても40年も経つんだね」とおっしゃってくださいました。思えば、40年以上も前、まだア二メの仕事をしていた頃、「ルパン三世」の作画チェックをしながら、私の撮ってきたSL写真を「たまんないねぇ、このキューロクは、デゴニ(D52)は、ボイラーが前につんのめるような形がいいんだなー」と私をおだて上げて鉄道写真の道を応援してくださいました(つまりはア二メの才能はなかったんですね)。大塚さんからの電話は嬉しさもひとしおのものがありました。メールを頂いた方々にはお礼の返事を差し上げました。午後から三軒茶屋方面へ散歩です。世田谷線を数カットスナップして池尻のレトロ銭湯で汗を流して帰りました。この銭湯は井戸水を利用して、中庭の池には立派な錦鯉が泳いでいます。まだ若い2代目は縁側から鯉を見るのが楽しみの日課とか。外気が心地よい季節になり、湯上りふんどし一本で２代目と涼みながら世間話をしました。風流ないい銭湯でした。
■等々力渓谷に雷鳴とどろく
5/28
午前中に週刊誌連載の原稿を書き上げてメールで送稿。今回の入稿分から4週に渡り「三陸復興支援」の特別原稿になります。最初は開業直前の三陸鉄道と新日鉄釜石製鉄所の華やかな頃の写真を執筆しました。午後から自由が丘の知人に会うため東横線で自由が丘に向いました。レストランでランチタイムの昼食を食べてから、大井町線をスナップしながら等々力渓谷に向かいました。天気予報では東京にも雷雨、竜巻注意報が出ていますが、まだ青空が広がっています。等々力渓谷の東京の名湧水57選むの湧水は水量豊富に湧き出して、幽玄な雰囲気です。水汲み場で一杯飲むと蒸し暑い渓谷に涼感が漂いました。するとあたりは一転にわかに曇り、遠くで雷鳴が聞こえてきたので、早々に引き上げました。なんとか雨が来る前に我が家にたどり着くと新宿副都心上空に黒雲が漂い大粒の雨が降ってきました。竜巻の子どもを思わせる不気味な雲が地上と天空を結んでいました。■寅さんロードムービー
都内23区唯一の渓谷は湧水の宝庫。水汲み場で「名水」をひと口味わう。午後4時ごろ、我が家から見た副都心には不気味な雲が広がっていた。
5/29
原稿執筆の一日でした。執筆の資料用に「男はつらいよ・寅次郎物語」を家内と見ました。同シリーズ39作目の映画で、寅さんと少年が鉄道を乗り継いで母を訪ねるロードムービーとなっています。天王寺駅がスタートで阪和線の快速で和歌山に行き、さらに和歌山線を乗り継いで近鉄吉野線で吉野に向い、ここでマドンナと知り合って別れがあり、大和上市駅から志摩に向かうのです。大和八木からは普段特急には乗らない寅さんも、ここでは3000系ビスタカーで伊勢方面に向います。ここで少年は母親と再会します。このシーンは涙ものです。家内などはウルウル泣いていましたし、私も必死で涙をこらえていました。メロドラマの松竹映画と、鉄道大好きな寅さんと山田洋次監督の面目躍如というべき映画でしょう。;連載中の寅さんDVDマガジン「寅さんと鉄道・乗り物」のコラムでは絞って近鉄吉野線を取り上げます。吉野川橋梁や、マドンナとの大和上市駅での別れの場面が登場します。季節柄、あるオピニオン月刊誌から「名水」特集の執筆写真依頼の仕事が入りました。私には鉄道と共に夏は「水商売」の季節でもあります。■きものをしっかり着ている人に悪人はいない・・だと。
吉野川橋梁を行く電車、「大和上市駅の別れ」では、このカットと同じシーンが登場する。伊勢志摩には3000系ビスタカーが寅さんを誘う。拡大写真
5/30
豊田駅からほど近い黒川清流公園の湧き水にて。
間違いなく青空が広がる・・と思って中央線の多摩川橋梁で清流と青空の下を行く貨物を撮るつもりでしたが、快速で現地に向かうと雲が次第に厚くなるではありませんか。黒い雲もあり昨日と同じ状況になりつつあります。ここは気持ちを入れ替えて鉄道写真を諦めて豊田、八王子地区の「東京の名湧水57選」を巡ることにしました。森の中の湧き水はまだら模様の木漏れ日のない曇りか、むしろ雨の日が「撮影日和」なのです。豊田駅近くには多くの湧水があります。そのひとつが豊田から立川寄りの築堤の下の「黒川清流公園」で、ここにはわさび田もあるほど湧水が豊富です。森の中で深呼吸をすれば気持ちは最高。崖下を湧き水を求めて歩いていると、農家の庭先で畑仕事のお年寄りがいたので声をかけました。「おや、まあ、着物で粋なこと」といわれ、いろいろ話しているうちに「ウチにも湧き水があるよ」ということで井戸に案内して頂きました。小さな泉にはトマトや野菜が冷やしてありました。「食べていいよ、トマトが美味しいから」というので、湧き水で冷やしたトマトにかぶりつきました。幼い頃に食べたトマトの味がしました。すっかり話し込んで座敷にまで上り、湧き水で入れたお茶とバウムクーヘンまでご馳走になりました。「お婆さん、見知らぬ人を上げて大丈夫?」というと「きものがね、目についてね。きものをしっかり着込んでいる人に悪い人はいないよ」とのことでした。お土産に野菜を頂戴するはずでしたが、これからまだ旅は続くのでご辞退すると、今度は電話してからおいで、野菜を用意しておくから・・。と見送ってくれました。豊田駅の近くで昼過ぎの貨物と電車を撮って八王子に行き、路線バスで湧き水を巡り、:京王八王子から準特急で明大前乗り換えで夕方帰宅しました。今度は新鮮野菜を頂きに行こうと思っています。そのときはちょっと色っぽい夏モノの十日町絣を着てゆくことにしましょう。それにしても人との出会いは奇遇なるものと、改めて感じました。
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