
2009年横浜で開催された「Jaaイントゥ2009」で撮影日本アニメーション協会 1988年～1996年／会長代行 1996年～2010年／会長 2010～／名誉会長
「三国志百態」(アニドウ刊行)の著者であり、アニメーション「道成寺」「火宅」やNHK人形劇「三国志」などで知られる人形美術家・アニメーション監督川本喜八郎さんが、肺炎のため8月2３日に死去と公式に発表されました。85歳。川本さんは東宝撮影所美術部で映画製作に従事。昭和２５年にフリーの人形美術家になり、人形を少しずつ動かすコマ撮りアニメーションの手法が特徴的で、２８年に日本で初めての人形アニメーション、アサヒビールのPR映画「ほろにが君の魔術師」を製作しました。　1963年、旧チェコスロバキアに渡り人形アニメの巨匠イジィ・トルンカ氏に師事。帰国後は処女作「花折り」をはじめ「鬼」「道成寺」「火宅」など、独自の様式美と伝統的な人形表現を盛り込んだ人形アニメーション映画を次々と発表して、世界的アニメーション作家となり、ＮＨＫの連続人形劇「三国志」「平家物語」人形美術を担当し幅広い人気を得ました。2007年3月、長野県飯田市に「川本喜八郎人形美術館」がオープン。製作に携わった作品の人形が随時入れ替えられて展示されています。　2007年、勲四等旭日小綬賞受章。折口信夫原作の映画「死者の書」（平成１７年）を監督したのが最後の作品となりました。つつしんでご冥福をお祈りいたします。
川本先生思い出のアルバム撮影・南正時(Jaa) (C)Masatoki MINAMI 協力・日本アニメション協会

2000年Jaaの忘年会、渋谷	死者の書の完成時、藤原南家の郎女(いらつめ)の人形と共に。多摩美術大学	西条市の賀茂鶴酒造にて

左からコ・ホードマン(カナダ)、ラウル・セルベュ(ベルギー)、川本喜八郎の各氏、ベルギー大使館のレセプションにて	「冬の日」の完成時、ユーリ・ノルシュティン監督と芭蕉の人形を手に	三巨匠、左から高畑勲、ユーリ・ノルシュティン、川本喜八郎の各氏

「死者の書」公式試写会にて2005年。前列、川本喜八郎さんと岸田今日子さん、後列右から新道乃里子、観世銕之丞、プロデューサー福間順子の各氏。	「冬の日」の初号試写、同作品の作家、スタッフ、関係者たちと。イマジカにて。	左から片山雅博、川本喜八郎、彦根範夫、林静一、南正時のJaaメンバー各氏

2010年11月20日「川本喜八郎さんを偲ぶ会」における冊子「ありがとう川本喜八郎さん」(日本アニメーション協会・刊行)の追悼文から ■南さん、今夜きもの着ていくんでしょ? 南正時　写真家・エッセイスト川本先生とお会いするとき、私はいつもきものを着ていました。広島国際アニメーションのレセプションでは「南さん、今夜きもの着ていくんでしょ?」と事前の打ち合せをしてイベントに臨み、外国人ゲストにきもの姿は記念写真に引っ張りだこでした。ある地方取材でのこと、宿泊先のホテルに先生から電話が入りました。「南さん、この間締めていた帯の結び方なんていうの?。今作っている里見八犬伝の小文吾に着せようと思って」。当時私は太っていたので、力士の犬田小文吾をイメージしたのでしょう。ひょっとしたら先生の小文吾は私がモデルだったのかも知れません。私が先生を本格的に撮影したのはNHK「三国志」からでした。アトリエにお邪魔すると眼光鋭い先生が人形とにらめっこをしていました。以後、先生の写真はどれだけ撮らせて頂いたでしょう。怖い顔で人形たちに向かっていた姿も、最近では温和な笑顔が多くなり、私の先生を撮るスタイルも変化してきました。これからは人形や私たちに接するときの温和な笑顔を撮りたいと思っていた矢先の旅立ちでした。 (C)2010日本アニメーション協会		(C)川本喜八郎・川本プロ
死者の書DVD版
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